あのブランドの顔は誰に?メゾンデザイナーの去就まとめ<17年秋〜18年春>


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若き才能とヘリテージの出会い、ストリートカルチャーとラグジュアリーの融合、メゾンの挑戦と改革ーーー。チームを率いて舵を切り、ブランドの"顔"となるデザイナーの去就が注目されている。

2017年秋から2018年春にかけて約半年の間にも多くのブランドとデザイナーが決断を下し、新たな一歩を踏み出した。新ディレクターの就任や移籍、未だ主要ポストが空いているブランドや要職に就いていないトップデザイナーも含め、動向をまとめた。



新任ディレクターを迎えたブランド

【 Burberry 】

 バーバリーのプレジデント兼チーフクリエイティブオフィサーとして活躍したクリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)が2018年3月をもって退任し、年内でブランドを離れることが決定。新チーフクリエイティブオフィサーとして、12年間「ジバンシィ(GIVENCHY)」でクリエイティブディレクターを務め2017年2月に退職したリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)が就任し、ファーストコレクションを9月に発表する。



【 CÉLINE 】

 セリーヌのクリエイティブディレクターを10年務めたフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)が2018年1月に退任。後任としてエディ・スリマン(Hedi Slimane)が決定した。

これまで「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」メンズのディレクターや「ディオール オム(DIOR HOMME)」のクリエイティブディレクター、そして2012年から2016年まで「サンローラン(SAINT LAURENT)」で全コレクションを統括するなど活躍し、また写真家としても活動している。

2月1日付けでセリーヌのクリエイティブディレクターに就任し、デビューコレクションは9月に発表予定。ウィメンズコレクションのほか、メゾンとしては初となるメンズコレクションを展開し、オートクチュールとフレグランスも始動する。



【 DIOR HOMME 】

キム・ジョーンズ Photo by: FASHIONSNAP
 2007年からアーティスティックディレクターを務めていたクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)が退任し、後任としてキム・ジョーンズ(Kim Jones)がディオール オムのレディ・トゥ・ウェアとアクセサリーコレクションを手掛ける。

キム・ジョーンズは、2011年から「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズ部門のアーティスティックディレクターとして指揮してきたが、2018年秋冬コレクションをもって退任。

ディオール オムに移籍して最初のコレクションは、6月のパリ メンズ ファッションウィークで発表となる。



【 LOUIS VUITTON 】

 キム・ジョーンズの後任として、2018年3月末にヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)をメンズ部門の新アーティスティックディレクターに起用。

ヴァージルは自身のブランドの「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™)」を手掛けている。ルイ・ヴィトンでは初の黒人デザイナー。

同年6月のパリメンズファッションウィークで、ファーストコレクションを発表する。



【 kate spade new york 】

 2007年11月から10年間にわたりケイト・ スペードのプレジデント兼チーフクリエイティブオフィサーを務めてきたデボラ・ロイド(Deborah Lloyd)が退任。後任として「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」のニコラ・グラス(Nicola Glass)を迎えた。

グラスは2004年から13年間にわたりマイケル・コースに在籍し、アクセサリーデザイン部門のシニアバイスプレジデントとして「MICHAEL Michael Kors」および「Michael Kors Collection」を手掛けてきた。

ケイト・スペードでは商品のデザインからブランドイメージ、店舗まで全てのクリエーティブを担当。ファーストコレクションは9月に発表となる。



【 Courrèges 】

2018年2月26日付で新アーティスティックディレクターにヨランダ・ゾーベル(Yolanda Zobel)が就任した。

ベルリンでファッションを学び、「ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)」「クロエ(Chloé)」「アクネストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」「ジル・サンダー(JIL SANDER)」などでウィメンズコレクションを手掛けてきた経歴を持つ。

デビューシーズンとなる2019年春夏コレクションのプレゼンテーションは9月末に開催予定。



【 DIANE von FURSTENBERG 】

 チーフクリエーティブオフィサーを務めていたジョナサン・サンダース(Jonathan Saunders)が1年半で退任し、後任としてナサン・ヤンデン(Nathan Jenden)がチーフデザインオフィサーおよびヴァイスプレジデントに起用された。

ヤンデンは、ダイアン フォン ファステンバーグで2001年から2010年2月14日までクリエーティブディレクターを務めており、主要ポストに復帰した形となる。



【 CAROLINA HERRERA 】

2018年秋冬コレクションをもってキャロリーナ・ヘレラがデザイナーを退任し、その後はブランドのグローバルブランドアンバサダーとして活動することが決定した。

これに伴い、2017年からクリエイティブコンサルタントを務めていたウェス・ゴードン(Wes Gordon)をクリエイティブディレクターに起用。2019年リゾートコレクションから手掛ける。



【 Roger Vivier 】

2018-19年秋冬コレクションをもってクリエイティブディレクターを退任したブルーノ・フリゾーニ(Bruno Frisoni)の後任として、2018年3月にゲラルド・フェローニ(Gherardo Felloni)を起用。

ゲラルドはこれまで「ミュウミュウ(MIU MIU)」でデザインディレクターを務めるなど複数のブランドで経験を積んできた。ロジェ ヴィヴィエでは2019年スプリングコレクションから手掛ける。

 

【 MUGLER 】

ミュグレーは2017年12月、新アーティスティックディレクターとして元「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」ウィメンズのヘッドデザイナー ケーシー・カドウォールダー(Casey Cadwallader)を起用すると発表。

アメリカ出身のカドウォールダーは、「ロエベ(LOEWE)」や「ナルシソ ロドリゲス(Narciso Rodriguez)」でも経験を積んでいる。なお、ミュグレーでアーティスティックディレクターを4年間務めた前任のデヴィッド・コーマ(David Koma)は退任後、ロンドンで自身のブランド活動に専念する。



【 Smythson 】

 2018年2月1日付けで、ルーク・ゴダディン(Luc Goidadin)が新クリエイティブディレクターに就任。

セントラル・セント・マーチンズでファッションデザインを学んだ後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでウィメンズウエアデザインの修士号を取得。その後「バーバリー(BURBERRY)」のチーフ・デザイン・オフィサーを15年間務めた。

 

【 Berluti 】

 2016年9月にクリエイティブディレクターに就任し、メンズウェアを手掛けてきたハイダー・アッカーマン(Haider Ackerann)が、3シーズンで退任することが決定した。

2018-19年秋冬コレクションがラストシーズンとなる。


※2018年4月17日追加情報

 4月3日、アーティスティックディレクターにクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)を起用したと発表した。

「ディオール オム(DIOR HOMME)」のクリエイティブディレクターを2018年3月に退任して以降、動向に注目が集まっていたクリス・ヴァン・アッシュ。ベルルッティではレディ・トゥ・ウェアやシューズ、レザーグッズ、アクセサリーコレクションのディレクションを務める。

ファーストコレクションの発表は2019年1月のパリ メンズ ファッションウィークを予定している。



現在ディレクターが不在のブランド

【 DIESEL 】

2017年12月末にニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)がディーゼルのアーティスティックディレクターを退任した。

レディー・ガガ(Lady Gaga)をはじめとする著名アーティストのスタイリストや「ティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)」のクリエイティブディレクターなどを経て、2013-14年秋冬コレクションからディーゼルのアーティスティックディレクターとして、メインラインからインテリアデザインまで監修してきた。



【 BOSS 】

ドイツを拠点とする「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」のコアブランド「ボス(BOSS)」ウィメンズウェアのアーティスティックディレクターを務めたジェイソン・ウー(JASON WU)が、2月のニューヨークファッションウイークで発表された2018-19年秋冬コレクションを最後に退任した。

後任は現時点で未発表。



【 LANVIN 】

 2018年3月下旬、2018年春夏シーズンからウィメンズ アーティスティックディレクターを務めてきたオリヴィエ・ラピドス(Olivier Lapidus)の辞任が発表された。当面はランバンのデザインチームがウィメンズコレクションを手掛ける。

今年2月から中国の投資会社 復星国際(Fosun International Limited)のFosun Fashion Groupの傘下となり過渡期にあるランバンは、同時期に上級管理職の人事も発表した。



【 EMILIO PUCCI 】
エミリオ プッチでクリエイティブディレクターを務めたマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)が、2015年4月の就任から約2年で自身のブランド「MSGM」に注力していくため退任を発表。以来、後任は発表されていない。



主要ポストに就いていない大物デザイナー

【  Phoebe Philo 】

 1973年フランス・パリ生まれ。セントラル・セント・マーチンズを卒業後、「クロエ(Chloé)」に勤務。ステラ・マッカートニーの後任として2001年から2006年までクロエのクリエイティブディレクターを務め、功績を残した。2008年に「セリーヌ」のクリエイティブディレクターに就任し、2018年1月に退任。

洗練されたミニマルとラグジュアリーの新定義を打ち出し、モード界に影響を及ぼしてきたフィービー・ファイロの去就が注目されている。



【 Kris Van Assche 】

 クリス・ヴァン・アッシュは1976年ベルギー生まれ。アントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、1998年にパリに移住し、エディ・スリマン(Hedi Slimane)がメンズウェアを手掛けていた「イヴ・サンローラン」で経験を積んだ。その後、エディと共に「ディオール オム」に移籍。2007年4月にアーティスティックディレクターに抜擢され、2018年に退任した。

自身のプロジェクトとしてメンズブランド「クリス・ヴァン・アッシュ」を2005年から展開していたが、2015年に終了している。

※2018年4月17日追加情報
 ベルルッティが4月3日、クリス・ヴァン・アッシュをアーティスティックディレクターに就任したことを発表した。



【 Alber Elbaz 】

アルベール・エルバスは1961年モロッコ・カサブランカ生まれ。

シェンカー大学でファッションを学び、「ギ・ラロッシュ(Guy Laroche)」や「トム・フォード(TOM FORD)」、「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」などのメゾンで経験を積んだ。2001年から14年間に渡り「ランバン」のアーティスティックディレクターを務め、ブランドの成長に貢献。

2015年10月に退任してからは、2017年と2018年に日本限定展開の「アヴァン コンバース(AVANT CONVERSE)」でデザインを手掛けたり、フランスの香水専門家フレデリック・マルと香水を作るなど、限定的に活動している。



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